
出典:Ukiyo-e.org
こんにちは!nagaです。
12月に入り、冬がようやく
各地で到達してきたようで、
日に日に、寒さが身にしみって
鍋モノが恋しくなる、今日この頃です。
( ´∀`)
今回は、【構図】風景画を描く時の構図を
学ぶには歌川広重を参考にしてみよう!
ということについて
お話ししていこうと思います。
「歌川広重」
絵が好きな人も、そうでない人も
おそらく聞いたことのある
名前ではないかと思います。
歌川広重は浮世絵師で
「東海道五十三次」や
「名所江戸百景」などの浮世絵を
作った人物です。
なぜこの歌川広重が出てくるのか?
というと、風景画を描いていくときに
この広重の浮世絵が、
実はとても参考になるからです。
なぜ浮世絵と風景画が
結びつくのか?関係するのか?
ということについて
詳しくお話ししていこうと
思います。
ではさっそく、いきましょう!
( ´ ▽ ` )ノ
風景画構図の元となる稀代の天才浮世絵師
歌川広重とは?

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広重はもともと
火消しの同心の親元に生まれました。
子供の時からやはり
絵を描くことが好きで
よく描いていたそうです。
13歳の時に両親を相次いで亡くし
15歳の時に浮世絵の世界
歌川派に入門し、翌年から「広重」
の名で浮世絵を制作し始めました。
初めは、花鳥や美人画などをモチーフに
浮世絵を制作していましたが
なかなか芽が出ず、入門から
約10年ほどは、火消しとの
2足のわらじで生計を立てていました。
そして、すでに人気のあった
葛飾北斎の「富嶽三十六景」を
見た時、広重は大きな影響を受けます。
この頃から広重は
風景の浮世絵を制作し始めます。
この時代、日本にも
海外から様々な文化が入ってきており
美術品などの絵画も数多く輸入されていて
北斎や広重などの浮世絵師や
日本画家達も、多くの外国の絵画を
目にし、構図などを学んだと言われています。
風景画構図の元となる稀代の天才浮世絵師
歌川広重の大胆な構図とは?

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なぜ広重の浮世絵が
現代になっても、未だに
多くの人に影響を与えているか?
というと
それは広重特有の
大胆な構図にあります。
以前、構図の部分でもお話し
したと思いますが、
「アオリ」・「フカン」
という構図を表す言葉が今も
絵や写真、映像関係の中で使われて
いますよね。この言葉も
広重の風景構図の影響だと
されています。
① アオリ・フカン構図

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この上の絵はフカンで描かれています。
鳥は鷹ではなく、鷲ですが
フカン=鷹の目
とも言われますよね。
まさにそのままの構図の絵だなと
思いますし、
生きている鷲に対して
左下の対岸に流れ着いた小さな
棺桶が静と動を上手く
表現していますよね。
② 画面二つ割り構図

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この構図も広重はよく
使って描いている構図です。
木を中心にして、
画面の左側と右側では
景色が違っていますよね。
上の方の絵では、
左側には家屋がメインで
描かれていますが
右側は川の流れがメインに
なっていて、
下の絵では
左側の木々は枯れているのに
右側の木々は葉っぱが
青々として茂っている。
これも左右で上手く
静と動を表現しています。
なんだか間違い探しを
しているみたいで
見ている側はなぜだろう?
というワクワクを楽しめますよね。
③ 水平線をさえぎる構図

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この構図は、
せっかく水平線を基準にした
構図で風景を描いているのにも
関わらず、あえてその整った
平坦な横の構図を崩すかのように
鯉のぼりや吹き流し・鍾馗旗で
縦のラインを入れて
一番手前には大胆にも
画面いっぱいに鯉のぼりを
描いていて
富士山がとても小さく
感じられますよね。
広重には、富士山よりも
たくさんの鯉のぼりが
印象深かったのかなあなんて
思ったりします。
④ 極端すぎる遠近構図

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この構図は、広重の中の構図で
一番大胆な構図かも知れません。
一番手前に、馬や橋の欄干を描き
その間から垣間見える
遠景の風景を描いている構図です。
以前お話した
カーテン構図にも似ている
部分がありますよね。
馬のお尻の間から
風景を見させようという
構図から、広重は
ユーモアも優れている人物
だったのかもしれませんね。
そして、広重の絵の中でも
よく使われている青色ですが
この青い色を海外では
ジャパンブルー、広重ブルー
などとも言われ、非常に
好まれていて、海外の人にも
とても人気の浮世絵だったそうです。
こんな風に、
広重の風景の浮世絵や
構図は、まだまだたくさんあって
紹介しきれないのですが
広重が描いた
「名所江戸百景」という
浮世絵を一度見てみて下さい
現代にも通ずる構図は
風景画を描いている人には
とても勉強になると
思いますよ。
風景画の構図で悩んでいる人には、一度見てほしいおすすめの一冊です。 |
今回のまとめ

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今回は、【構図】風景画を描く時の構図を
学ぶには歌川広重を参考にしてみよう!
ということにつて
お話ししました。
広重は、62歳で生涯を閉じていますが
日本人でありながら
その文化に固執されることなく
常に探究心を失うことなく
追い続ける絵師だったと言われていて
あの世界的に有名な
ゴッホやモネも
広重の浮世絵に影響を受け
自身の絵の構図に取り入れたり
していたほどです。
今ではなんでもあるこの時代に
構図ができない
構図が苦手だなどと
言っていられないなあと
私もつくづく思いました。
ぜひ参考にしてみて下さい。
ではまた次回!!
( ´ ▽ ` )ノ